「学生時代に簿記2級、取ってはみたものの、正直ピンとこなかった…」 「会社の数字ってなんだか難しそうだし、自分には関係ないかな…」
かつての私がそうだったように、あなたも今、そんな風に感じているかもしれません。
でも、もし会社のあらゆる活動――あなたがもらう給料(人件費)も、出張で使う交通費も、部署で買う新しいパソコン(設備投資)も――すべてが「数字」に繋がり、会社の動きが手に取るように見えるようになったら、仕事はもっと面白くなると思いませんか?
この記事では、運営者のシクミが、実務経験を通じて簿記2級の知識が「経営が数字になる」という感覚に変わっていったリアルな体験談をお話しします。「簿記って本当に役立つの?」と思っている方、「数字は苦手…」と感じている方にこそ、読んでいただけたら嬉しいです。
学生時代の簿記2級:「意味ない」と感じていた正直な理由
多くの人が「取っておくと有利」と聞いて簿記の勉強を始めますが、私も学生時代に2級を取得したものの、正直なところ、その価値をまったく実感できていませんでした。テキストの仕訳や勘定科目は理解できても、それが現実の会社の動きとどう結びつくのか、全くイメージが湧かなかったのです。
当時は「せっかく取ったけど、これって本当に意味あるのかな?」と、半ば諦めにも似た気持ちを抱いていたのを覚えています。あなたにも、そんな経験はありませんか?
実務で点と点が繋がった!簿記知識が「役立った」瞬間
しかし、社会人になって実際の業務に携わる中で、状況は一変しました。学生時代にはバラバラに見えていた知識の点と点が、実務という線で繋がり始めたのです。最初は小さな「あっ!」という気づきでした。
会議資料の数字の意味が分かった時
最初は会議で飛び交う「売上総利益」「営業利益」「固定費」「変動費」といった言葉に戸惑うばかりでした。しかし、ある時、配布された資料を見て、「あっ、これって簿記で習った損益計算書(PL)の構造そのものじゃないか!」と気づいた瞬間がありました。
その瞬間から、会議資料の数字がただの羅列ではなく、会社の活動の結果を示す意味のある情報として読めるようになり、会議の内容への理解度が格段に深まりました。
日々の取引がお金の流れに見えた時
請求書を発行すれば「売掛金」という資産が増え、経費を精算すれば「現金」が減って「費用」が増える…。こうした日々の何気ない業務の一つ一つが、実は「仕訳」という形で記録され、会社の資産や負債、費用や収益に影響を与えている。この繋がりが見えた時、会社のお金の流れが少しずつ理解できるようになりました。
例えば、「なぜ毎月給料が支払われるのか? それは会社にとって『人件費』というコストだから。そのコストを賄うために、どれだけの売上や利益が必要なのか…」そんな風に、一つの取引の先に会社の全体像が見えるようになったのです。
部署の予算やコスト意識が芽生えた時
自分の仕事が、部署や会社全体のコストにどう影響するのか。予算を達成するためには、売上を上げるだけでなく、コストをどう管理する必要があるのか。簿記の知識は、そうしたコスト意識を持つきっかけも与えてくれました。
ただ言われた作業をこなすだけでなく、会社の数字を意識して仕事に取り組む視点が身についたのは、簿記を学んでいたおかげだと感じています。
ついに掴んだ!「経営が数字になる」という感覚とは?
そして、これらの経験を通じて、徐々に「経営が数字になる」という、あの独特の感覚が掴めてきました。
これは、会社のあらゆる活動――売上を立てるための営業努力も、製品を作るための原価も、新しいサービスを広めるための広告費も、将来のための設備投資も、そして私たち自身の人件費も――すべてが、最終的にはお金(数字)の流れに集約され、財務諸表(損益計算書:PL、貸借対照表:BSなど)という形で表現される、ということです。
まるで、会社の活動という目に見えないストーリーが、数字という共通言語で語られているような感覚、と言えるかもしれません。
この感覚が身についてから、会社のニュースや経済の動きも、以前とはまったく違って見えるようになり、仕事の面白さが格段に増しました。
簿記2級が私にもたらした3つの大きなメリット
振り返ってみると、実務と結びついた簿記2級の知識は、私にとって大きな財産となりました。具体的には、以下の3つのメリットを感じています。
- 視野の拡大: 自分の担当業務だけでなく、会社のあらゆる活動がどう「数字」に結びつき、経営全体に影響を与えているかを理解でき、物事をより大局的に捉えられるようになりました。
- コミュニケーションの変化: 感覚や経験だけでなく、「数字」という客観的な根拠に基づいて説明したり、提案したりできる場面が増え、説得力が増しました。
- 「まず2級」で十分な土台: 簿記2級だけで全てが分かるわけではありません。しかし、ビジネスの世界で共通言語ともいえる会計の基礎を理解できたことで、仕事への自信がつき、新しい知識を学ぶ意欲も湧いてきました。
まとめ:簿記は「経営の言葉」。まずは2級から始めよう!
簿記2級は、単なる資格ではありません。実務経験と結びつくことで、会社の活動を「数字」という共通言語で理解するための強力なツールに変わります。
学生時代に「意味ないかも…」と感じていたとしても、決して無駄にはなりません。焦らず、日々の仕事の中で「これは簿記で習ったことかな?」と意識するだけでも、知識は着実にあなたの力になっていきます。
もちろん、簿記2級だけでは経営の全てが分かるわけではありません。より深い知識が必要になる場面もあるでしょう。しかし、「経営が数字になる」という基本的な感覚を掴むための第一歩として、まずは簿記2級から学んでみることを、私は心からおすすめします!


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