「Slackを導入したのに、結局社内のやり取りはメールのままです」という相談を、ここ数年で何度も受けてきました。ツール自体は便利なはずなのに、なぜか定着しない。原因を探っていくと、ツールの機能不足ではなく、運用ルールの設計不足であることがほとんどでした。
Slackが定着しない会社の共通点
- チャンネルの作成ルールがなく、似たようなチャンネルが乱立している
- 役員や管理職が使っておらず、「結局メールで報告して」と言われる
- 通知が多すぎて、重要な連絡が埋もれてしまう
特に2つ目の「経営層が使っていない」は影響が大きいです。役員がメールでの報告を求め続ける限り、現場は結局二重に連絡することになり、Slackを使うメリットを感じられません。ツールの定着は、現場よりもむしろ経営層・管理職の使い方次第という側面が大きいと感じています。
チャンネル設計の失敗を防ぐシンプルなルール
チャンネルが乱立する問題は、最初にルールを決めておくだけでかなり防げます。私が顧問先に提案しているのは、次のようなシンプルな分類です。
| チャンネルの種類 | 命名ルールの例 | 用途 |
|---|---|---|
| 部署・チーム単位 | team-経理、team-営業 | 日常の業務連絡 |
| プロジェクト単位 | proj-案件名 | 案件終了後はアーカイブ |
| 全社共有 | info-お知らせ、info-総務 | 投稿できる人を限定する |
「誰でも自由にチャンネルを作ってよい」という運用は一見自由でよさそうに見えますが、半年もすると使われなくなったチャンネルだらけになります。作成できる人をある程度限定するか、定期的に棚卸しをするルールを最初から決めておくことをおすすめします。
経理・バックオフィスから見たSlack活用のコツ
経理や総務の立場からすると、Slackで特に効果を感じやすいのは「申請・確認のやり取り」です。経費精算や請求書確認などの定型的なやり取りを、ワークフロー機能や外部ツールとの連携(会計ソフトの通知連携など)でSlack上に集約できると、メールを探す手間がかなり減ります。ただし、正式な承認記録として残す必要がある書類については、Slackでのやり取りだけで完結させず、きちんと証跡が残る形(会計ソフトの承認機能や書類管理システム)と併用することをおすすめします。チャットのやり取りは流れていきやすく、後から探すのに苦労するためです。
まとめ
Slackが定着するかどうかは、機能の充実度よりも「経営層が本気で使うか」「チャンネル設計にルールがあるか」で決まります。導入を検討している方は、ツールの機能比較に時間をかけるより先に、この2点を社内でどう運用するか決めておくことをおすすめします。


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