「マニュアルを作ったのに、結局みんな作った人に直接聞きに来る」という悩みは、業種を問わずよく耳にします。マニュアル自体は存在しているのに機能していない状態です。この記事では、マニュアル作成のテンプレートというより、「作ったのに使われない」を防ぐための考え方を中心に書きます。
マニュアルが使われない3つの理由
1. 情報が古くなっている
業務フローや使用ツールが変わっても、マニュアルが更新されないまま放置されているケースです。一度「このマニュアル、内容が古い」と思われると、その後どれだけ更新しても見てもらえなくなります。
2. 「聞いたほうが早い」から抜け出せない
マニュアルを探して読むより、隣の席の人に聞いたほうが早い、という状況では、どれだけ丁寧なマニュアルを作っても使われません。特に少人数の職場ではこの傾向が強いです。
3. どこにあるか分からない
共有フォルダの奥深くや、更新が止まった社内Wikiの中に埋もれてしまい、そもそも存在を知られていないケースも多いです。
「聞いたほうが早い」から抜け出すための工夫
2番目の理由が、実は一番根深い問題だと感じています。これを解決するために効果があった工夫をいくつか紹介します。
- 質問を受けたら、口頭で答える前に「まずマニュアルのこのページを見て」と誘導する運用にする
- よく聞かれる質問をマニュアルに反映するサイクルを、担当者の業務として明確に位置づける
- マニュアルを検索しやすい場所(チャットツールのピン留めや、業務システムのヘルプリンクなど)に集約する
特に1つ目は地道ですが効果があります。最初は「マニュアルを見てもわからない」と言われることもありますが、繰り返しているうちに、質問する側も「まずマニュアルを見てから聞く」という習慣がついてきます。
会計・経理業務のマニュアルで特に意識したいこと
経理・会計まわりの業務マニュアルは、他の業務以上に「なぜその処理をするのか」という背景の記載が重要だと感じています。手順だけを書いたマニュアルは、イレギュラーなケースに対応できず、結局作成者に聞くことになりがちです。「通常はこう処理する。ただし◯◯のケースでは△△の理由でこう処理する」という形で、判断の根拠まで書いておくと、担当者が変わっても応用が効くマニュアルになります。
マニュアル作成・更新の負担を減らす仕組み
マニュアル作成が続かない一番の理由は、単純に「更新の手間がかかりすぎる」ことです。動画マニュアルツールやスクリーンショット自動取得ツールなど、更新の手間を減らすツールを併用するのも一つの方法ですが、それ以上に効果的なのは「更新担当者を1人に固定しない」ことです。属人化を解消するためのマニュアルが、作成そのものは1人に属人化している、というのはよくある矛盾です。持ち回りで更新する仕組みを作ることをおすすめします。
まとめ
マニュアルが機能するかどうかは、作り込みの丁寧さよりも「見る習慣が根付いているか」「更新が続く仕組みになっているか」で決まります。これから作成する方は、完璧な内容を目指すより先に、この2点をどう仕組み化するかを考えることをおすすめします。


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