「新しいツールを導入したいが、経理部長が『前例がない』と首を縦に振らない」 「自分としては“バックオフィスを軽視”しているつもりはないが、経理部がブラックボックス化していて口が出せない」 「意欲ある若手経理を採用しても、その保守的な空気に耐えられず、すぐに辞めてしまう…」
もしあなたが、このような「経理部が成長のブレーキになっている」と感じ、その結果「経理がすぐ辞める」という悪循環に悩んでいるなら、この記事はまさにあなたのためのものです。
多くの場合、経営者はそのベテラン経理部長(お局様)を「問題」だと捉えがちです。しかし、専門家は「その見方こそが、問題を深刻化させている」と指摘します。
この記事では、あなたの会社に潜む「本当の課題」を解き明かし、対立ではなく「共存・共栄」によって、経理部を最強の資産に変えるための、具体的な交渉術と戦略を専門家との対話から解き明かします。
Part 1:その“ブレーキ”は「守りの職人」の証
まず経営者が認識を改めるべきは、そのベテラン経理部長は「問題」ではなく、「1円単位できっちり仕事をこなす、稀有な“守りの職人”」であるという事実です。
会社が成長する過程で、彼女のその完璧な「守り」があったからこそ、会社は存続できたはずです。しかし、彼女のきっちりとした仕事ぶりとプライドを、経営者であるあなたがまず100%評価し、尊重すること。それが、すべての解決の第一歩となります。
彼女の「守り」のスキルはそのままに、会社が成長するために必要な「攻め」の機能をどう加えるか?その視点こそが、経営者に求められています。
Part 2:解決策は「外部の専門家」の“選び方”にあり
若手の意見は聞かなくても、権威ある専門家の意見なら聞く耳を持つかもしれません。しかし、ここで専門家の「選び方」を間違えると、すべてが水泡に帰します。
NGな選び方: 同じ「経理実務」に詳しい専門家(例:別の会社の経理部長経験者、実務に詳しい税理士など) → 失敗する理由: 彼女と同じ「土俵」に立つため、比較・敵対対象となり、「私のやり方が信用できないのか」とプライドを傷つけ、硬化させてしまいます。
OKな選び方: 会計士など、「内部統制」「業務フローの仕組み化」「組織改善」といった、彼女の日常業務とは異なる、より上位のレイヤーの「肩書」を持つ専門家。
なぜなら、この選び方こそが、次の「伝え方」の鍵になるからです。
Part 3:プライドを尊重し、「攻め」の役割を期待する伝え方
会計士という「彼女の土俵とは違う専門家」を選ぶことで、経営者であるあなたは、彼女のプライドを最大限に尊重した最強の交渉ロジックを手に入れることができます。
それは、「あなたの代わり(不信任)」を連れてくるのではなく、「あなたの新しい武器(サポート役)」を連れてくる、という伝え方です。
【お局様への交渉術(例文)】 「〇〇さん(お局様)がこれまで長年、完璧な“守り”で会社を支えてくれたおかげで、私たちはようやく次の“攻め”のステージに進むことができます。本当に感謝しています。
そこで、会社がさらに成長するために、新しい武器として『内部統制』や『業務の仕組み化』といった、別の専門分野の力が必要になりました。
あなたの完璧な経理実務(守り)と、専門家(会計士)の仕組み化(攻め)を組み合わせれば、うちは最強の管理部になれると考えています。そのために、あなたの力を貸してくれませんか?」
このように、彼女の功績を称え、未来への期待を込めて「サポート役」として専門家を配置することで、彼女はプライドを傷つけられるどころか、会社から「期待されている」と感じ、前向きに協力してくれる可能性が飛躍的に高まります。
まとめ
「経理がすぐ辞める」のは、ベテラン経理が「強すぎる」からではありません。経営者であるあなたが、彼女の「守り」の価値を正しく評価し、会社が成長するために必要な「攻め」のサポートを、適切な形で与えられていないからです。
対立は何も生みません。彼女のプライドと経験を尊重し、適切な「役割分担」を設計すること。それこそが、経理部を“ブレーキ”から「最強の資産」に変える、経営者の交渉術なのです。


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