顧問先の契約関連書類が、電子契約サービスに切り替わっていくのを間近で見てきました。今回は電子契約サービスの機能比較ではなく、紙のハンコ文化から切り替える過程で実際に起きたことを書きます。
一番変わったのは「締結までのスピード」
紙の契約書は、印刷・製本・押印・郵送という工程があるため、締結までに数日から1週間程度かかることが珍しくありませんでした。電子契約に切り替えた顧問先では、この工程がほぼその日のうちに完結するようになり、契約の締結スピードが大きく変わったのを目の当たりにしました。
会計・税務の観点で気をつけたいポイント
電子契約書は、印紙税の取り扱いが紙の契約書と異なります(電子契約は原則として印紙税の対象外とされています)。この点はコスト削減につながる一方、証憑としての保存要件は電子帳簿保存法に沿って対応する必要があるため、導入時に一度、顧問税理士や会計士と保存方法を確認しておくことをおすすめします。
導入に慎重だった取引先とのやり取り
すべての取引先がすぐに電子契約を受け入れてくれるわけではありません。特に、電子契約に馴染みのない取引先や、社内規定で紙の契約書しか認めていない相手とは、結局紙でのやり取りが残ることになります。当面は紙と電子の両方に対応できる体制を維持しておく必要があると感じています。
導入前に整理しておきたいこと
- どの契約書から電子化するか(新規契約から始め、既存契約は更新のタイミングで切り替えるのが現実的)
- 保存・検索のルール(電子帳簿保存法の要件に沿った保存方法になっているか)
- 取引先への周知方法(いきなり切り替えると混乱を招くため、事前の案内が重要)
まとめ:スピードは上がるが、全面移行には時間がかかる
電子契約サービスの導入効果は実感として大きいですが、取引先を含めた完全移行には想像以上に時間がかかります。まずは自社内で完結する契約や、電子化に前向きな取引先から始めるのが無理のない進め方だと感じています。


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